腰痛が牽引では治ら無い訳
整形外科などに行くと腰痛やヘルニア、下肢のしびれなどがある場合牽引療法が使われる事がよくあります。
しかしこの牽引療法ではほとんどよくなる事がありません。
それはいったい何故なのでしょうか?
牽引療法を行う理由
牽引をされる方のほとんどは椎間(骨と骨の間)が狭くなっている為に痛みや痺れが出てしまっているからと伝えられるケースが多いかと思います。
単純に椎間が狭くなってしまっているから引っ張れば隙間ができて楽そうになるような気がしますよね。
しかし単純に引っ張ったからといってその狭くなった場所を効果的に引っ張れる訳ではありませんし、もし仮にうまく引っ張る事ができたとしても立ってしまえば再び自分の体重が背骨にかかるので元どおりになってしまうという訳です。
牽引の効果
牽引の効果としては
腰部の筋肉や靭帯へのストレッチ効果が挙げられます。
今は持続牽引(ずっと引っ張りっぱなし)ではなく間欠牽引(引っ張ったりやめたりを一定時間で繰り返す)ものがほとんどです。
この間欠牽引によって腰の周りのストレッチが行われ、筋肉を弛め血行を良くする事により症状が良くなる事を目的にされております。
もし仮に僕が牽引をおこなうのであればなるべく軽い重さ(体が引っ張られていると感じ無いぐらいの重さ)でかなりの時間をかけて引っ張る方法を選択します。
それは強い重さで引っ張れば筋肉が抵抗してしまってブレーキとして働いてしまうのでいくら強い重さで引っ張っても実際に伸ばす事は難しいと考えるからです。
腰の筋肉をゆるめれば楽になるのか
なる人もいればならない人もいるとしか言えません。その人その人によって腰に痛みが出ていたり痺れが出ている原因が違うからです。
筋肉をゆるめるというとマッサージやストレッチなどを想像する人が多いと思いますが、もし仮に腰の筋肉をゆるめて楽になるのであれば一生懸命安いマッサージ屋さんに通うも良し、自分でストレッチをすれば良いだけですがそれでは殆どの方が楽になら無いから様々な治療方法がある訳です。
例えば他に原因があり体が背骨を支える為に筋肉を硬くしているのに、それをゆるめたらどうなるでしょう?
当然支えてくれていたものが支えられなくなるので余計に痛くなってしまうでしょう(ぎっくり腰でマッサージに行って余計に痛くなるのはこのパターンです)
まとめ
正直に言えばお医者さんの中で本気で牽引で良くなると思っている先生はいないと思います。
お医者さんもけっこう腰痛持ちが多いですが(僕の勤めていた整形の先生もそうでした)きっとその先生も牽引などした事がない先生が多いのではないでしょうか?
僕も勤めていたところの先生がやっているのは見た事ありません(笑)
しかし腰痛や下肢のしびれで病院に行ったのにリハビリがなかったらあなたは他の病院に行こうと思わないですか?
病院とすればリハビリすればお金が入ってくるし、患者さんも何かしてもらったと満足するからこういった器械が必要なだけではないのでしょうか?
もし痛みをとるのであれば原因をしっかり把握してそこにアプローチをしていかなければなかなか改善していかないでしょう。
そして仮に痛みが取れても体の使い方が間違っていればまたすぐに痛みが再発してしまいます。
また牽引などをして余計に痛みが強くなったりしてしまう方もいらっしゃるので十分にご注意ください!

下田 純一

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